2020.10.12㈰ NHKラジオ第一「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」三度目の出演

2020年10月29日

澱川橋梁を渡る8600系車両

11月12日に放送されましたNHKラジオ人気番組【音で鉄道の楽しさや、鉄道の旅の魅力を伝える鉄道番組「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」】に、自ら録音した運転台からの音で解説をさせていただきました。
同放送は鉄道を中心に活躍される工業デザイナー・水戸岡鋭治さんも出演され、その水戸岡さんと一緒に放送されることは非常に光栄に思います。

以前に久野知美さんが鮮魚列車を紹介してくれました。
水戸岡鋭治

先ずは収録より

列車の連結作業や自動改札音など沢山の候補があり、どの音を収録しょうかと考え実際に運転経験のある近鉄京都線(京都・大和西大寺間34.6㎞)にある澱川橋梁(宇治川に架かる鉄橋)を渡る走行音に決めました。

※澱川橋梁 京都府 昭和前/1928 鉄製トラス橋、橋長165m、幅員11m 1基 京都府京都市伏見区弾正島~向島西堤町 登録年月日:2000.10.18 登録有形文化財(建造物)

旧奈良電鉄によって宇治川に架けられた下路式曲弦プラット分格トラス橋。陸軍演習に支障がないよう無橋脚橋梁として建設され,我が国の単純トラス橋で最大の径間長165mを誇る。関場茂樹の設計で,神戸川崎造船所製作。宇治川の鉄道景観を代表する建造物。(文化財オンラインより)

走行音は運転台から

場感あふれる収録をしょうと、実際に営業列車の運転台に乗り込む予定で向島駅(宇治市)に…。ホームに待ち収録準備をしていると、以前私が運転していた8600系車両が到着。

8600系車両

早速、担当乗務員と打ち合わせをし録音装置を起動。発車を知らせるブザーがホームに響き、運転士は運転室から扉の安全を確認し、車掌にベル合図1打「チン」。車掌も扉を閉める注意放送後、ホームの安全を確認し扉を閉める。そのリアルな音や出発せよのベル合図「チンチン(2打)」、そして運転士が信号や踏切などの安全を確認する喚呼(かんこ)もばっちり収録。

国の登録有形文化財

刻に向島駅を出発した京都行普通4両は徐々に加速し大きく口を開けた巨大なトラス橋に近づいてきます。

澱川橋梁を優雅に渡る

しばらくすると列車は勾配25‰(パーミル)上り築堤を約300m走ります。

ここは豊臣秀吉が築いた太閤堤であり歴史的なです。(ブラタモリでも紹介)

そこを過ぎると国の登録有形文化財「澱川橋梁」を低速で臨場感あふれる音を響かせながら渡ります。

車窓からはキラキラと鮮やかに光る宇治川の水面が目に飛び込んできます。橋脚が一本も無いとは思わせないほどの頑丈な橋梁です。

宇治川でも収録

運転室からの収録後、桃山御陵前駅より酒蔵が並ぶ伏見を散策し宇治川に…。堤防を上がると目の前に巨大な澱川橋梁があり1928年の完成で92年経過しました。しかし、当時の物とは思えないほど優れた建造物で、塗装も美しく、付近の景観にもマッチ!さすがに文化財!!!

橋梁近くに収録場所を決め準備をすると、近くには道路や京阪宇治線もあり収録には苦労いたしました。

何度か収録にチャレンジし、約15本前後の列車収録をし、その中から良いものを選びました。

関係者より非常に良い内容で解説も褒められ高い評価をいただけました。

⇩ここからは放送内容

NHK公式サイト「読むらじる」  

近畿日本鉄道(近鉄)の広報の方々に協力してもらい、社員さんだから録れる、“貴重な”そして“知られざる”てつおとを大公開!

NHK公式サイト「読むらじる」で10/12に私が出演し解説した内容が紹介されています。(東武鉄道さんと共に)

近鉄京都線・京都行き普通列車の運転室の音!

近畿日本鉄道(近鉄)は、大阪・奈良・京都・三重・愛知の2府3県にまたがって路線があり、総営業距離は501.1キロとJRを除くと日本で一番長い鉄道会社になります。(東武鉄道は2位)

今回は、名物広報マンとして知られる福原稔浩(としひろ)さんにご協力いただき、近鉄京都線の京都行き普通列車の運転室の音のほか、解説までしてもらいました!

    

近鉄京都線・京都行き普通列車の運転室の音!

近畿日本鉄道(近鉄)は、大阪・奈良・京都・三重・愛知の2府3県にまたがって路線があり、総営業キロは501.1キロとJRを除き、日本で一番長い鉄道会社になります。(東武鉄道は2位)
今回は、名物広報マンとして知られる福原稔浩(としひろ)さんにご協力いただき、近鉄京都線の京都行き普通列車の運転室の音のほか、解説までしてもらいました!

<福原稔浩さんの解説>
たくさん路線がある中、なぜこの区間を選んだのかというと、私は乗務経験が10年くらいあり、運転士も車掌も経験しました。特に宇治川に架かる近鉄澱川(よどがわ)橋梁は、短い区間ながらも、いろんな操作をしないといけない場所で、運転士冥利(みょうり)に尽きます。
(営業列車の運転室には)スタジオの皆さんを乗せるわけにはいかないので、代わりに社員の私が臨場感あふれる音を録ってきました。当日の列車は8600系。私が入社する2年前にできた車両で、長い間運転してきたので懐かしいです。
聴きどころは、運転士の歓呼、色んな機器の操作、車掌とのやり取り、モーターの音などです。

建設当時の澱川橋梁(宇治川)

スタジオトークより

土屋さん:乗客だとガラス越しで鮮明に聞こえないので、聴けてうれしい!

久野さん:機器の操作の音、歓呼や車掌とのやり取りの声、本当にかっこいいですね~!

野月: 運転士の歓呼など、運転に必要な動作の音がいっぱいあって、自分も運転室内にいるような臨場感がありました!

近鉄淀川鉄橋を渡る音!

続いて広報の福原稔浩さんが録音した、近鉄澱川(よどがわ)橋梁を渡る列車の運転室内の音と、橋梁の下から録った音の2つをお送りしました!

<福原稔浩さんの解説>
宇治川にかかる近鉄澱川橋梁は、1928(昭和3)年に完成した全長162.4メートルの日本最大のトラス橋で、国の登録有形文化財にも指定される重要な鉄道遺産です。
長い橋なのに支える橋脚がありません。当初の計画では橋脚を作る予定でしたが、橋の下(宇治川や河川敷)が陸軍の演習場になっていて、橋脚があると演習に支障を来たすので、橋脚のないトラス橋にしたという経緯があります。
橋脚がないので響き方、臨場感、音の大きさなど迫るものがある。橋の下に流れる川の水面の水位によっても音が変わります。列車内やガード下などでも聴こえ方が異なるので、いろいろな近鉄澱川橋梁の音を楽しんでほしい。橋脚のある橋とない橋の違いを聴き比べてみるのもお勧めです。

スタジオトークより

土屋さん: 弦楽器のハープも、真ん中を握って弾くのとそうでないのとで響き方が異なるのですが、鉄道の橋脚でも異なるとはビックリしました。

久野さん: 橋脚を渡るときはガタンゴトンの音がより反響するので、乗っていても音の変化があって楽しいですよね!

野月さん: 鉄橋のサイズも大きく、そして橋脚がないことも相まって、音がとても響きますね!

土屋さん:近鉄の福原稔浩さんの解説も上手くて、より音が楽しめました!

参考映像