近鉄学 ― 元名物広報マンが解き明かす、日本最大私鉄の強さの秘密 ―

なぜ近鉄は、日本最大の私鉄になれたのか――。

その答えは、501キロに及ぶ営業路線の長さや膨大な車両数だけでは見えてこない。

大阪、奈良、京都、三重、愛知を結ぶ広大なネットワーク。都市間輸送から通勤・通学輸送、さらには伊勢志摩や吉野など日本有数の観光地へのアクセスを担う観光輸送まで、近鉄は多彩な役割を果たしてきた。また鉄道事業だけでなく、百貨店、不動産、ホテル、レジャー施設など幅広い事業を展開し、国内有数の企業グループへと成長している。

しかし、その歩みは決して平坦なものではなかった。

戦時統合による路線網の拡大、高度経済成長期の設備投資、国鉄・JRや他私鉄との激しい競争、バブル崩壊、人口減少社会への対応――。

幾多の困難や時代の変化に直面しながらも、近鉄はなぜ成長を続けることができたのか。

なぜ沿線の人々から支持され続けてきたのか。

そして、なぜ数多くの鉄道ファンを魅了してやまないのか。

本書を語るのは、駅員・車掌・運転士を経て、広報として近鉄の“顔”を担い続けた元名物広報マン・福原稔浩。

テレビ番組『ブラタモリ』や『鉄オタ選手権』への出演をはじめ、多くのメディアを通じて近鉄の魅力を発信してきた著者は、現場・経営・広報という三つの視点を持つ数少ない存在である。

駅ではお客様と向き合い、車掌・運転士として安全輸送の最前線に立ち、広報としては数々のテレビ番組や映画、ドラマのロケーションサービスを手掛けながら、近鉄のブランド価値向上に尽力してきた。

その経験の中で見てきたのは、単なる鉄道会社ではない近鉄の姿だった。

そこには、創業以来受け継がれてきた挑戦の精神がある。

沿線を発展させるという使命感がある。

そして何より、人を大切にする企業文化がある。

本書では、近鉄グループ発展の礎を築いた名経営者・佐伯勇のリーダーシップをはじめ、戦後復興から高度経済成長期を経て現在に至るまでの歩みを紐解きながら、「近鉄の強さ」の本質に迫る。

なぜビスタカーは誕生したのか。

なぜ名阪特急は鉄道史に残る存在となったのか。

なぜアーバンライナーや「しまかぜ」は多くの人々を魅了し続けるのか。

なぜ近鉄は鉄道だけでなく、まちづくりや観光振興にも力を注いできたのか。

そして、これから人口減少や社会構造の変化が進む中で、近鉄はどこへ向かおうとしているのか。

本書は単なる会社史でもなければ、鉄道趣味の本でもない。

近鉄という企業の歴史、人、文化、経営、そして未来への挑戦を描いた「近鉄という学問」の入門書である。

鉄道ファンはもちろん、企業経営に関心のある方、地域活性化や観光振興に携わる方、さらには近鉄沿線で暮らすすべての方に読んでいただきたい。

近鉄を知れば、日本の私鉄経営の奥深さが見えてくる。

近鉄学 – 元名物広報マンが解き明かす、 日本最大私鉄の強さの秘密 -(福原稔浩) | ワニブックスオフィシャルサイト

そして、その歴史を知れば、人と地域をつなぎ続けてきた近鉄の存在意義が見えてくる。

元名物広報マンだからこそ書くことのできた、近鉄の過去・現在・未来。

現場を知る者の視点で描く、これまでにない近鉄論。

それが『近鉄学』である。